Airbnb(エアビーアンドビー)登録してゲストハウス開業したら地獄だった話

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エアビー

Airbnb(エアビーアンドビー)が日本で流行り始めたのが2015年頃だった。連日、メディアで爆買いのニュースが放送され、それにともなってAirbnbや民泊のニュースも同時に流れていたのは、まだまだ記憶に新しい。

年間600万円も稼ぐAirbnbホストが現れるほど、空前絶後のエアビーブームは始まった。

そのニュースを聞いた日本人が我こそはと、金儲けのために賃貸マンションを借りて民泊のために転貸を始めたのが2016年から。この頃から違法民泊の問題が目立ってきていたが著者は気にはしていなかった。

2015年の当初、著者はサラリーマンをしており、7年前から計画していたゲストハウス開業のために資金を貯めていたところ。

開業は2016年を予定してたので、訪日ブームも後押しして、Airbnbもあるからビジネスは軌道にのりやすいはずだ!と勘違いしていたのであった。

これが地獄のはじまりだということを、その当時の著者が知る由もない。

ゲストハウス開業

Airbnbの影響

開業元年2016年は、Airbnb(エアビーアンドビー)が全盛期で、これならゲストハウス経営も難なく上手くいくだろうと思いこんでいた。

そしてAirbnbが増えた分、集客サイトが増えてよかったと喜んでいた。

外国人訪日数が過去最高の数字をたたきだしてので、ゲストハウス経営には特に不安がなかったのだが、その安心も数か月で崩れることに。

ゲストハウスを5か月ほど運営したところからAirbnb経由でお客さんがあまり来なくなった。

原因は、大阪市内のAirbnb物件の飽和だった。

増えすぎたAirbnb民泊

Airbnb検索結果

それもそのはず、2016年は、月単位で1000件以上の新規登録物件が大阪市内だけで増えていたのである。

Airbnbの物件検索結果に関してだが、パソコンで表示されるAirbnb物件は1ページに18件までとなっている。

つまり、表示エリアの検索結果で上位から18件以内に入らないと、予約が入る確率は相当下がってしまう。18件というのはパソコンに限っての話で、モバイルの場合は画面表示が更に小さくなり、最低でも10位以内に表示されないとゲストの目に触れることはない。

エリア検索で10位以内をキープしないと予約される確率は相当下がってしまうのだ。

違法でも営業できてしまう民泊

Airbnb部屋

簡易宿泊所を営業する場合は、保健所の許可が必ず必要だ。その他にも、建築基準法、消防法などの規定に適合する必要性もある。

建築基準法では用途変更、消防法では自動火災報知設備、非常灯、誘導灯の設置に加えて、旅館ホテルの建築基準法に適合するために壁の厚さや材質、網窓ガラスの設置もしくは防火シャッターの設置も義務づけられている。(隣地境界線の都合で条件が変わる)

すべての工事を完了した上で、行政への申請および現地での確認調査が必要なため、事業計画から始まって完了まで半年程度は費やしてしますのが普通だろう。

それに比べ、簡単に営業を開始できてしまう民泊では、賃貸契約しか必要ないので、1週間程度もあれば家具の搬入および賃貸契約することも可能だろう。

Airbnbシステムも導入も審査など必要ないので、ものの5分もあればアカウント作成&リスティング開始できてしまうのだ。

大手の予約サイトに登録する場合は、管理画面の作成から口座の登録やらなんやらで、最低1か月ぐらいは待たされるはめになる。

ちなみに小学校や中学校など行政にかかわる施設が、営業しようとする物件を中心にして110m以内にあると、そういった施設に対して保健所からの紹介が必要になる。小学校などが夏休みなどの期間は回答ができない。休み明けの回答になるので、更に待たされることになる。

民泊は利用するメリットが大きい

エアビーが有利

Airbnbを利用する旅行者(主に外国人旅行者)には、民泊の利用に対して大きなメリットがある。大人数で部屋を借りれば、ホテルと比べて格段に安く宿泊することができるのだ。

ゲストハウスのようにトイレやシャワールームをシェアする必要もないので、プライベートが守られる。ホテルのようなサービスはついてこないが、他人とスペースを共用する必要もない。

Airbnbを営業する場合、初期投資費用がほとんどかからないため、宿泊価格も安く設定ができる。この点ではゲストもホストもメリットが大きいといえるだろう。

Airbnb物件は違法でも罰則が軽い

旅館業法違反は、もともとの罰則が軽すぎる。Airbnbで免許なしで営業していたことがばれたとしても、罰金3万円以下懲役6か月以下で収まるのだ。

2017年の旅館業法の罰則の改定で罰金が100万円までに変更。

逮捕、検挙されるのは、業務停止命令を無視して継続したりその他悪質な営業のみで、ほとんどの違法物件は営業指導&営業停止命令で済んでいた。営業停止命令を受けた民泊はほとんどが撤退する。

ばれたら撤退するつもりで最初から営業しているので、許可を取るホストは少ない。なぜなら、マンションで営業できないことを既に調査済だからだ。

一部のAirbnbホストは、保険所に見つかるまで違法物件で営業を繰り返し、保健所に見つかり次第やめるというような行為を繰り返しています。

見つかったとしても1物件を営業停止するのみに収まるので、複数の物件を営業している場合は継続も可能でしょう。ただし、2物件目の違法営業が確認された場合は、指導のみで終わるとは思わない。

ゲストハウスの個室よりAirbnb貸切

Airbnbは快適

ちょっとしたゲストハウスの個室に泊まるより、Airbnbの貸切に泊まった方が旅行者にとってメリットが大きいかもしれない。先述したとうり、Airbnbの登録は貸切物件がほとんど。誰も望んでトイレやシャワールームをシェアしたいとは思わないだろう。

Airbnb利用が今の流行り

エアビのテレビコマーシャルが今月から始まった。日本では、Airbnbのための法律(民泊新法)ができてしまう程の勢いだ。現在、ホテル業界でもAirbnbの脅威にさらされており、外国からの宿泊予約サイトのBooking.comやエクスペディア、アゴダなどは手を焼いている状態だ。

Airbnbがホテル予約サイトから客をうばっていると言っても過言ではない程、勢いが止まらない。

ゲストハウスということがデメリットになっている

エアビでくつろぐ

価格を抑えて提供しているゲストハウスの個室だが、Airbnbの貸切部屋にはかなわないのが現状だ。

どうしても、共用部分をシェアして使わなくてはならないため、プライベートが守られない部分がある。女性の場合、シャワーの後で化粧をしていない顔を見られたくないことや、下着の恰好で過ごせない等のデメリットがあるのはゲストハウスだ。

複数人数で宿泊料金を割ってしまえば価格はあまり変わりませんから、安いことが一番売りだったゲストハウスの個室もかなり厳しい状況になっている。

安全面においては

眠るゲスト

ゲストハウスは、消防法に適合しなければ営業できない。消化器、自動火災報知設備、誘導灯、非常灯などの設備が義務づけられているため、火災に対しては万全になっている。これは不特定多数のが同じ建物内にいるために必要な設備となっているから。

しかし、宿泊施設から火災が起こることは稀で、宿泊者は火災に対してかなり鈍感なこと。

加えて、民泊のようなマンション一室の貸切部屋で、近隣住民が起こす火災に対して心配はあまりしないだろう。むしろ、泊まっている旅行者本人達の方が火災の原因になる確率が高い。

ガス器具や調理器具の使用方法は、国別で違うものだから。

こういった点で、安全面においてはゲストハウスの方がしっかりしていると言えるが、誰も自分の宿泊している部屋や施設を火災にしようとは思っていないので、そこまで心配する人はいない。

こういったことから宿泊する部屋の消防設備に気を向ける旅行者は少数だ。それよりベッドの大きさや家具の高級感などに気をとられている方が多い。

2017年のゲストハウス営業

はっきりいってしまうとAirbnbのせいで、2017年度の売上は半分程度に落ちている。Airbnbに圧迫された近隣のホテルやビジネスホテルが値段を下げだしたため連鎖的に被害を受けてしまっている。

Airbnbに予約が流れる→ホテルが値段を下げる→ゲストハウスの個室に予約が入らないという流れ。

大阪市内でも、平日のホテルの宿泊料金はダブルの部屋で5000円程度まで下がってしまう状況(2017年)。ビジネスホテルも閑散期の価格競争で料金をおとせる限界まで設定してくる。駅から徒歩1~3分のホテルがそんな料金で部屋出しされたら、ゲストハウスはたまったもんではない。

部屋が空っぽの状態よりも赤字でもいいから、部屋を埋めたいホテルで大阪は現在あふれ返っている。特に閑散期はひどい。

勘違いしたゲストハウス達の開業ラッシュ

ゲストハウス開業

爆買いブームとメディアの煽りも受けて、2016年はゲストハウスの開業が目立った年だった。ただでさえ閑散期が厳しいゲストハウスの業界に、さらにパイの取り合いが激しくなる。

連日メディアで報道していた宿泊施設が大阪で足りないという報道を勘違いして、開業してしまったゲストハウスは非常に多い。

日本の多くを占める観光客(中国、韓国、台湾、香港など主にアジア圏)が必要としていたのは、簡易宿泊所のような低品質のゲストハウスではなく、彼ら富裕層などが泊まりたいと思う中級以上のホテルのことだった。

しかしホテルや旅館を作るのは、資金が膨大に必要だ。それに比べゲストハウスの開業資金は安く済む。作るにも撤退するにもたいした資金が必要ないので、開業ブームが来たというわけだ。

寝るところさえあれば、中国人達が予約してくるだろうと勝手に思い込んだのは、日本人オーナーや新規参入企業の早合点だった。2段ベットで眠りたいという金持ちたちがこの世に存在しない限り、ドミトリータイプやゲストハウスの個室が埋まることはない。

彼らが泊まりたいのはホテルであって、どんなに安くてもゲストハウスではない。

アジア圏の旅行者を甘くみた日本人投資家の敗北といったところだろうか。

地獄は現在も継続中

2016年の訪日外国人数の増加が顕著だったことにより、大手のホテル開発事業も大阪に参入してきている。個室タイプで少し手狭だが、価格を抑えたスモールタイプのホテルもどんどん増えてきているのが2017年だ。

新しいタイプのホテルの参入。そして価格を抑えた部屋を販売する。既存のホテルもまた更に価格を下げなければならなくなる。大阪のホテルの料金が下がれば、ゲストハウスの個室価格と格差がなくなり、ゲストハウスの個室に泊まる価格のメリットが少なくなる。

2017年、既に大阪のゲストハウス業界は地獄に突入している。

まとめ

2016年のゲストハウス開業とともに訪れたAirbnbブームという不幸に立ち向かうゲストハウス達。著者のゲストハウスも売上が半減する中、既存のホテルの価格競争の中でゴキブリのように生き残る術を毎日探している。