Airbnb(エアビーアンドビー)と楽天はなぜ提携しなかったのか。理由は定かでないが、楽天は国内では最大手であるエアビーとは提携せず、Homeawayと業務提携を成立した。
そうなるとAirbnbと提携する国内OTAがどこになるかというのが気になるところ。
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楽天LIFULL STAYとは
参照画像:https://japan.cnet.com/article/35103717/
楽天LIFULL STAYは「Vacation Stay」(仮)に掲載される国内物件をホームアウェイに供給する。
ホームアウェイは、月間サイト訪問者数約4,000万人の集客力を生かした訪日旅行者へのマーケティングを行い、インバウンドの需要拡大。
まず、Vacation Stayに登録されなければ、Homeawayのプラットフォームは使用できないようだ。
問題点
問題は、既存の事業者(Airbnbの登録ホスト)のほとんどは無許可の違法ホストだということ。新法が施行されたとしても、行政に登録しなければ、楽天LIFULLSTAYにも登録ができない。
つまりは、楽天LIFULLSTAYに登録するぐらいなら、無許可で違法の状態のままホームアウェイやAirbnbで営業した方が規制を受けずに済むということになりそうではないか。
ちなみに、日本のAirbnb登録物件はほとんどが無許可で違法だ。
楽天LIFULL STAYの目標
参照画像:https://japan.cnet.com/article/35103717/
楽天LIFULL STAYは一軒家、ホスト不在といったホームアウェイの得意物件を絞り込んで掲載していく方針。2020年までに登録物件の数を10万件にしたいということだ。
著者の見解
ちょっと待ってほしい。Airbnbでさえも日本国内での登録物件が2017年で5万件程度。しかも、登録物件のほとんどは違法。
楽天トラベルをノウハウを軸として、国内市場に参入するためには一番大事なところがぬけている気がするのだが。
それは、合法という物件。
Airbnbが爆発的に増えた理由は、法を守っていなかったというところ。
参照画像:https://japan.cnet.com/article/35103717/
新法が施行する際に、合法の物件がどれほど増えるかといったところが課題になる。合法で営業するべきなのは明らかだが、かといって違法で営業することに関して、特ににデメリットがない。
ほとんどのAirbnbホストは、保健所から指導がきたら営業をやめればいいと簡単に考えている。
現状の罰則は、軽すぎて誰も気にしていない。犯罪とも思っていないAirbnbホストも多いのだ。
誰がわざわざ行政に登録して営業するかということ。行政の監視下にわざわざ入りたい民泊ホストはいないだろう。
多くのAirbnbホストは無許可なので営業開始の届け出も行っていない。もちろん、営業利益を申請することもしていないので納税もしない。それが届け出を行ったことで、収入もばれることになり、180日の営業規制も強いられる。誰が届け出を出すだろうか。
現在の旅館業法では、マンションのワンルームや普通の一軒家で許可を通すことは難しい。
Airbnbは、違法ベースで、簡単にはじめられて簡単にやめられるというところが、メリットになっている。わざわざ許可をとってまで営業をしようとするホストがいるかどうかは疑問である。
しかも、新法の180日間の営業日数規制があるため、登録物件がビジネスで利益を上げることはかなり難しくなる。ビジネスにもならないボランティアのようなものをすすんで始めようとする人は少ないのではないだろうか。
新法が施行されても、よほどの罰則がないかぎり、現行のホスト達は違法営業を止めないだろう。
Airbnbが国内のリスティングシステムを変更しない限り、違法物件は今後なくならないだろう。
Homeawayは日本ではマイナー
以前の記事でも、Airbnbが一強状態だということはあげている。
はっきり言ってホームアウェイは日本ではマイナーである。民泊=Airbnbという図式が完全に日本にできあがっているので、Homeawayは今後どうやってシェアを勝ち取るかが問題。
民泊のレベルは相当上がっている
都市部の営業物件に関して言えば、宿泊施設のレベルは相当あがってきている。一昔前のように、空き部屋に2段ベッドをつめこんで、予約の受付を開始すればお客が入ったものではない。
ホテル並のグレードのある高級マンションのリスティング物件や、和風一色に改装された一軒家の貸切物件なども多く、業界のグレードどんどん上がってきているのだ。
Airbnbにおいては、外国人観光客をターゲットにしたリスティング物件がほとんどで、営業物件どうしがクオリティにこだわり競合しているので、宿泊施設の質は相当高いなってしまった。
リフォーム代が回収できるのか
新法の下で営業するならば、年間180日程度しか営業できない。部屋のリフォーム代や参入資金の回収に何年もかかってしまうリスクや、最悪の場合、回収できないことも考えられる。
単なる空き屋を和風民宿風に改修するには、数千万円の費用が必要になるだろう。京都のリフォーム会社がすでにそういった事業を開始しているが、相場よりも相当高い物件で売りだしている。
リフォーム会社が稼げることを購入する投資家が保証する。購入したオーナーの民泊業がいつまでうまくいくか保証するものは何もない。オリンピックまでに業界が飽和もしくは衰退した場合は、負債だけが残るだろう。
民泊が衰退するまでにリフォーム費用が回収できるかどうかが問題になりそうではないか?儲かる儲からないの話ではなくなる可能性も含んでいる。
楽天LIFULL STAY株式会社
所在地: 東京都千代田区大手町一丁目9番2号
大手町フィナンシャルシティグランキューブ3F
代表者: 代表取締役 太田 宗克
事業内容: 民泊に関するプラットフォーム
事業設立年月: 2017年3月ウェブサイト: https://www.rakuten-lifull-stay.co.jp/HomeAway, Inc.
所在地: 米国テキサス州オースティン
代表者: CEO John Kim
事業内容:
ホームアウェイは、エクスペディアグループに属し、テキサス州のオースティンに本社を置く世界最大級のバケーションレンタル会社です。世界190カ国、200万件以上のバラエティーに富んだユニークな物件を予約できるプラットフォームを運用・提供しており、グローバルでの年間取扱高が約1.5兆円にのぼります。「丸ごと貸切る」物件に特化し、一緒に旅する仲間、家族とより快適でプライベートな時間を過ごしていただき、一生涯記憶に残る最高の思い出作りのお手伝いをしております。
設立年月: 2005年2月
ウェブサイト: https://www.homeaway.jp/
まとめ
楽天とホームアウェイの業務提携はどちらにとってもメリットに違いない。しかし、新法が施行しても登録する物件やホストがいなければ、その目標は達成できないだろう。
違法営業でもOKだからAirbnbが流行っているだけで、合法で稼げないビジネスを誰がするものか。
机上の理論では、登録物件は増えるとふんでいるだろうが、違法営業で味をしめたホスト達は絶対に登録しないだろう。
結局は、違法でこっそりAirbnbを営業している奴が一番得をもっていく構造は変わらないようだ。